東日本大震災(2011年3月11日)では、ディズニーランドで知られる千葉県浦安市や千葉市美浜区などの埋立地で液状化被害が深刻との報道がなされている。
特筆すべきは、湾岸埋立地域だけでなく、千葉県内陸部の利根川流域の我孫子市や市川市の一部でも液状化現象による深刻な被害が発生したことである。
これらは利根川沿いの沖積地帯であり、明治・大正時代には沼地や農業地(水田)だった。その後、埋立され、分譲地として販売された。
問題は、これらが、行政が事前に作成し公表していた「液状化マップ」には
掲載されていなかったという点である。
つまり、
行政はここが埋立地であることは被害が発生するまで把握しておらず、
当然に、土地を購入した住民は埋立地だったことを知らなかったことになる。
117世帯が全壊した我孫子市の住宅地区は大正時代には沼地だったところを埋め立て造成されたことが被害を受けて(古地図で)初めて判明した。そのため、この一帯は市が作成していた液状化マップには載っていなった。
香取市は1000棟以上が全壊(住むのが危険と判断された)という。
地盤が緩みビルや住居が傾いたりすることで知られる液状化現象の被害で
より深刻なのは、地中にある水道・下水道の配管が、
液状化に伴って各所で破壊され使用不能となることである。
地中深くに埋まった配管の被害であるため、
地上の電線(停電)の被害と比べると、復旧まで長期化する。
そのため、
液状化現象が発生した地帯では上水道や下水道が
長期間にわたって使用不能となることが珍しくない。
トイレ、風呂、食事などの日常生活に必須な「水」だけに
被災地域の住民の生活は想像以上に不便となる。
生活が不便ならば引越しをすれば良いと安易に考えがちだが、
被災地域では思わぬ経済的な被害も発生することになる。
液状化現象というのは、埋立地の特徴的被害であるために、
それだけ局地的で一部地区の限定的被害となることが多い。
そのため、家屋やマンションの被害の程度にもよるが、
被災地では地価が下落したり、風評により、なかなか買い手がつかないといった
副次的な状況にもなりかねない。
「生活が不便」という理由が同じであっても、東京電力による計画停電で、階段の昇り降りを余儀なくされた(水が使えなくなる場合もある)高層マンション上層階の住人らの引越しとは大きく異なるのである。
■以下、新浦安(東京ディズニーリゾート近隣の液状化被害状況)
撮影エリア一帯(撮影:2011年3月末)
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