先日、12月25日から26日にかけて、西日本から東日本の広い範囲に大雨が降った。東京では三十数年ぶりの12月の降水記録更新だったそうだ。
事前に気象庁の予報で「天気が荒れるな・・・」と知っていた私でも、思わぬ雨量と強い風で、用意していた傘も思うように機能せずに、自宅に帰り着くまでに、はいていたズボンはずぶぬれになってしまった。
電車(JR横須賀線)の中では、もう年末なので会社の営業最終日だったのか?
ほろ酔い気分の若いサラリーマンやOLの集団がいた。
その中のOLさんの次の台詞
「道路なんて洪水だし、すごい雨だったよね。」
が私の耳にすっーと入ってきて、そんな大した内容でもないのだから聞き流せば良いものを、「道路が洪水だって?はて?水たまりはあったけど」とふと思ってしまった。
ああ、私は職業病なのか・・・と気になってしかたない台詞のように思えてしまったのだ。困った性分である。
以前、静岡新聞のコラムで、こんなことが載っていた。
ニュースや新聞記事で「洪水」と書くと、人々は、大雨などにより河川の水位が上昇し、ついには川が氾濫し、町が水浸しになる状況を想像してしまうという。
しかし、気象庁などが使用する「洪水」というキーワードには『河川の水位が異常に上昇する』という意味しかないのだそうだ。
この記事を書いた記者も「自分も表現にいささか大げさな想像をしていた一人だった」と自戒していたので、とても良い記事を書くなぁと感心していた私はこの記事を良く覚えていたのだ。
私たち一般の人たちが日常生活で使う「洪水」は、水たまり程度の意味合いから平気で使用してしまう。それでも、その場にいる同僚には、意味が通じるのだから全くもって言葉とは面白いものだと思う。
でも、公の情報には、読む者へ誤解や思い込みを招くような表現は避けなければならない。だから定義が重要になってくる。
記者は「自然災害は命に直結する情報なので尚更。慎重でより正確な言葉づかいに努めなければと気を引き締めた。」と締めくくっていた。
私は、ちょっとした季節はずれの大雨で、すっかり気分が萎えていたのに自分のささやかな職業病気質のおかげで、久しぶりに良い記事だったなとそんな事を思い出せた有意義な帰宅時間になった。
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