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米国に学ぶ「危機管理」

time 2002/03/10

米国に学ぶ「危機管理」
米国に学ぶ「危機管理」  [編集長コラム]

危機管理とは大地震・大停電・ハイジャックやテロなど天災や人災を問わずに不測の事態に対して事前の準備を行い、被害を最小限に食い止めるために行われる政策全般を指す。一般的にはリスク・マネジメントと呼ぶ。

1995年1月17日の阪神淡路震災では海外のメディアなどからも日本政府の対応を巡って批判の声があがった。

1994年の米国ロサンジェルス大地震や2001年のNYテロをご記憶の方も多いかと思うが、この二つの災害に共通して見られることは政府の危機管理能力の高さだった。これら災害が発生してからわずか十数分後には米国連邦政府緊急管理庁が動き出し、発生1時間後には既に連邦・州・軍との調整など救助活動が本格化している。マスコミに流れる報道では刻一刻と変る情勢の変化や政府の対応状況が分単位で紹介された。先のテロではNYのジュリアーニ市長がテレビ演説していた緊急管理センターが一手に司令塔の役割を担っていた。
また、1992年のフロリダ州大型ハリケーン災害から民間団体の相談所窓口が活躍したことから学び、被災者センターを災害発生2日後には被災者相談窓口が何十ヶ所と開設されていった。

この柔軟な体制とその機動力、現地本部とその機能性はアメリカという国のトップダウン方式の意思決定の素早さばかりに目が行くが、本来はそのリスク・マネジメントへの姿勢にこそ学ぶべき点が多いと思う。

日本では災害が起こった時に地域住民への情報・通報や避難誘導、緊急出動や応援要請などはその地域の自治体が行い、広域支援活動と連絡業務は国が中心に活動する。特定地域の災害では住民にとって一番身近な存在である行政が命を守ってくれるというシステムだ。

しかし、実際にはこのシステムが阪神では国の出足の遅れを招き、海外では対応が遅いと批判される結果に繋がった。阪神淡路大震災では、現地の対策本部が開設されたのは早朝の震災であったにも関わらず発生後6日目であった。

■「FEMA」に関連する防災格言内の記事
元FEMA長官 ジェームズ・ウィット氏(2010.1.11 防災格言)
森田松太郎(公認会計士 朝日監査法人(現あずさ監査法人)理事長)(2019.06.03 防災格言)
危機管理評論家 佐々淳行[1](2008.6.30 防災格言)
危機管理評論家 佐々淳行[2](1930~2018 / 作家・評論家 警察官僚・初代内閣安全保障室長)(2018.10.15 防災格言)
拝啓 ブッシュ大統領様(2005.9.27 コラム)
米国に学ぶ「危機管理」(2002.3.10 コラム)

<編集長 拝>

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