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新型インフルエンザ対策:今、そこにある危機 第1話

time 2009/02/13

新型インフルエンザ対策:今、そこにある危機 第1話

新型インフルエンザ対策 今、そこにある危機 | 秋月雅史

 


2009年春の企画として、Seiさんのお店メルマガ会員様からの質問でも一番関心の高い、新型インフルエンザ(パンデミック)について、新型インフルエンザ(パンデミック)対策では日本でもトップクラスのコンサルティングファームである 株式会社レックスマネジメント 代表取締役の秋月 雅史社長に、「今、そこにある危機」と題して、新型インフルエンザ(パンデミック)についての正しい知識と対策を分りやすくご説明いただきました。

新型インフルエンザ(パンデミック)第1話 新型インフルエンザ(パンデミック)第2話 新型インフルエンザ(パンデミック)第3話 新型インフルエンザ(パンデミック)第4話(最終回)


 

第1話 世界的流行は確実に起こる!?

こんにちは、本日はよろしくお願いいたします。

秋月社長:よろしくお願いいたします。

Q.――――早速なんですが、最近よく耳にするようになった「新型インフルエンザ」とは、いったいどんなものなのですか?

まずは、こちらをご覧下さい(WHOが作成したH5N1の進化の系統図をお見せいただきながら)。

WHO H5N1 系統図[PPT File/英語]
Towards a Unified Nomenclature System for the Highly Pathogenic H5N1 Avian Influenza Viruses,WHO/OIE/FAO H5N1 Evolution Working Group
Towards a unified nomenclature system for the highly pathogenic H5N1 avian influenza viruses by WHO/OIE/FAO H5N1 Evolution Working Group

これは鳥インフルエンザの一種、H5N1と呼ばれる型の、進化の系統図です。

この図に載っている鳥インフルエンザは、実際に鳥や人間に感染したものを採取して分析した結果を系統だてたものです。

一口にH5N1型といっても、この図で見るだけても千種類近くもあり、それも僅か10人くらいの研究者が確認した数であると言うだけで、実はもっと膨大な数の鳥インフルエンザの種類が自然界には存在する可能性があります。

この中には、鳥だけに感染する型、人間と鳥の両方に感染する型が混在していますが、これだけ膨大な数のH5N1型が人間に適応するために爆発的な進化をしていることを考えたら、確率的にいつかは必ず新型インフルエンザとして世界的な流行が起こると考えました。

これを知った約1年程前に、パンデミックは絶対に来ると恐怖をおぼえましたね。

Q.――――新型インフルエンザ と 鳥インフルエンザ の違いをご説明いただけますか?

インフルエンザというウィルスには、A型、B型、C型があり、特にA型はヒトだけでなく、トリ、ウマ、ブタ、クジラ、アザラシなどにも感染する世界で最も多く広がっている人獣共通感染症です。

鳥インフルエンザは、もともと鴨など水禽類(すいきんるい=水鳥)を宿主として自然界に存在していたわけですが、鳥のあいだで広がっているウィルスが、ヒト、ウマ、クジラなどの動物にも感染するように適応して、種の壁を越えて感染が広まることがあります。

そして、この鳥インフルエンザが、数十年に一度、ヒトの間で効率よく感染するような突然変異を起こすことがあります。

こうして新しいタイプに進化したウィルスに対してヒトは当然、免疫を持っていません。

そのために感染がどんどん拡大して世界中に広まってしまったことが、歴史上何度か起こっています。

過去に発生したパンデミック
パンデミック(世界的な新型インフルエンザの流行)

このように、過去存在しなかった新しいタイプのインフルエンザが発生したときに、それを「新型インフルエンザ」と呼ぶわけです。

そして、その新しいタイプのインフルエンザが、世界中で爆発的な感染を起こすことを「パンデミック」と呼びます。

現在、H5N1型という非常に毒性の強いタイプの鳥インフルエンザが、ヒトに適応することが懸念されています。

このタイプのウィルスは、鳥が感染した場合はほぼ100%の確率で死んでしまいます。

日本でも、京都や山口、宮崎などで鶏舎への感染が発生してニュースになったことを、みなさんもご記憶でしょう。

そして、今、このH5N1型がヒトに感染するケースが世界中で増えています。

鳥インフルエンザの公式発表に基づく分布(クリックで拡大表示)
鳥インフルエンザの公式発表に基づく分布

2003年10月以降の、各国の公式発表にもとづくヒトへの感染例を集計した図がこちらです(鳥インフルエンザの公式発表に基づく分布)。

約300人以上の感染例が記録されていますが、これはあくまで各国の機関が「 感染を確認できた 」ケースだけであり、実際にはこの10倍以上の感染が起こっているだろうと予想されています。

たいへん怖ろしいことに、このH5N1型にヒトが感染すると、ほぼ全身の細胞をウィルスが食い尽くしていきます。

今までのインフルエンザの場合は呼吸器にしか感染しなかったのですが、H5N1の場合は血液に乗って全身に感染が広がることが分かっています。

そのため、重篤な肺炎を起こすだけでなく、脳症や多臓器不全を起こして死に至るケースが多いのです。

そして、その死亡率は、現時点で60%を超えています。

通常のインフルエンザの致死率が0.1%前後であることを考えると、まったく別の病気だと考えたほうがいいかもしれません。

現に、その死亡率の高さから、感染症対策の専門家のなかには、『 もはやこれはインフルエンザではない、現代のペストというべきだ 』と言った主張をしている人もいるぐらいなのです。

Q.――――死に至る恐い病気だということはよくわかりました。でも本当にパンデミックのようなことが起こるのでしょうか?

私自身は間違いなくパンデミックは起こると確信しています。

H5N1型ウィルスがパンデミックを起こすかどうかは、この型がヒトへの感染力をどこまで高めるのか? によります。

ものすごく大雑把な例えをしますと、まず、ヒトへの感染を効率よく起こすための鍵穴が、全部で10個ぐらいあると思ってください。

ヒトに感染するためには、別に、この鍵穴10個をすべて開ける必要はなくて、2〜3個だけでも感染はします。

しかしながら10個全部を開ける能力を持てば、ウィルスはたいへん効率よく増えることができます。

そしてその時点でパンデミックが起こると仮定します。

H5N1型は、この鍵穴すべてを開けることを目的に、今まさに、この時点でも進化を続けているのです。

H5N1というと、皆さんは一種類だけだと思っていると思いますが、例えば、ベトナム・インドネシア・中国株という進化の系統図なんですね、この枝をクレード( Clade )と呼ぶのですが、今はクレード1からクレード9まで分類されています。

この系統図のクレード1と呼ばれる系統は、ベトナムで採取されたもので、この中では比較的古いものですが、この頃は10個の鍵穴のうち、2〜3個しか開ける能力を持っていませんでした。

しかしながら、最近採取された株は、よりヒトに適応していて、感覚的に言うと6〜7個の鍵穴を探り当てているようです。

H5N1型は、この図(最初に説明した、WHOのH5N1型系統図)でわかるように、数えたことはないのですが・・・おそらく1,000種類を超える型が見つかっており、しかもその確認作業をしているのは、図の右下に書かれている全世界でもわずか10人をちょっと超えるくらいの研究者だけなのです。

つまり、これは確認できた型が図に載っているだけで、実はもっと膨大な種類の型が自然界には存在しているということなのです。

この図を見た瞬間に、(私は)この膨大な数のH5N1型が、ヒトへの感染を目指して日夜進化を繰り返していること、そして、残りの鍵穴を探り当ててパンデミックが起こるのは、もはや確率の問題であることを確信したのです。

パンデミックは起こるか起こらないかの問題ではありません。

それが起こるまでに、あと数ヶ月なのか? 数年なのか? という問題だと私は思っています。

Q.――――秋月さんは、それを知ってどうしようと思ったのですか?

これは 人間に対するウィルスの攻撃だ と思いましたね。

我々は、彼らウィルスの攻撃から、社会や家族を守るために、できることを考えなければなりません。

そのために、まずは、私が生き残ること、そして、自分の家族、自分の人生にとって大切な人が生き残るのに何をするべきかを考えました。

それには、”敵” を知ることが大事だと考え、まずは、感染症対策を勉強することから始めました。

Q.――――もう少し分り易く新型インフルエンザについて、教えていただけますか?

最近、このお話をする時には、このようにお話しています。

「 新型インフルエンザとは目に見えない致死性の高い毒、だと認識してください。 」と言うことです。

火事や地震で人が死ぬことは想像出来ても、インフルエンザで人がばたばた死んでいくことはなかなか想像出来ないものです。

でもそれが現実に起こる可能性がある、だから、ますます怖いのですね。

第2話につづく・・・

 

 


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株式会社レックスマネジメント 代表取締役秋月 雅史(あきづき・まさし) 氏プロフィール
1963(昭和38)年7月生れ。1989年 日本アイ・ビー・エム入社。メガバンク担当営業を経験。1997年 日系コンサルティング会社に転職、その後外資系・日系IT会社で新規事業の企画を担当。2007年 株式会社レックスマネジメントを設立。同社代表取締役に就任。
血液型O型。性格は頑固かつ大雑把かつ鷹揚。自ら「プロの酒飲み」と豪語するほどの酒豪でもある。

関連情報Link
株式会社レックスマネジメント(会社HP)
新型インフルエンザ対策WEBページ
新型インフルエンザ対策
レックスマネジメント

 

 

<編集長 拝>

 

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