防災意識を育てるWEBマガジン「思則有備(しそくゆうび)」

食育の詩(浅田一「食偈(じきげ)」より)

time 2011/08/23

食育の詩(浅田一「食偈(じきげ)」より)

「食育の詩」 子供たちへ捧げる

  [編集長コラム]

只今ただいま戴くこの御飯、        百姓さんに育てられ

お米屋さんにうすづかれ、        お台所臺所で炊がれて

幾十人の手数経た        尊い汗の記録です

青物なども同様に        百姓さんに育てられ

八百屋さんから運ばれて        お台所臺所で調味され

皆汗汗の記録です。        肉やお魚其外そのほか

飲み食ふ物はすべて皆        幾百人の手数経て

汗や涙や気遣きづかいの        こもった物と思ったら

ただ一粒のお米でも        粗末にする気になれませぬ

さても頂く食物は        胃のや腸でこなされる

それは怒や心配で        さまたげられるものなれば

頂く時はほがらかな        いとなごやかな気持にて

よくよくんであじわって        感謝しながら食べませうしょう

汗水垂らして働けど        三度の御飯ごはん食べられぬ

あはれ憐れな人も沢山たくさんに        広い世間せけんにあるのです

三度三度の御飯ごはんをば        不自由ふじゆうなしに頂ける

私達は仕合しあわせだ。        あはれ憐れば人も食べられる

よういのってあげませうしょう        行儀ぎょうぎ正しくシャンとして

いとなごやかにほがらかに        頂きませういただきましょうこの御飯ごはん

出典:浅田一「食偈じきげ(1937年)」より

浅田一(あさだ はじめ / 1887〜1952)氏は大阪出身の法医学者。血清学の研究で知られ、後に、日本初のチベット入境を果たした高名な僧侶・仏教学者である河口慧海(かわぐちえかい / 1866〜1945)の弟子となった人物です。

好きな詩でしたので紹介しました。

題名は浅田一らしい仏教の「対食偈」よりもじったのでしょうか。
先ほど日本の穀物の放射能汚染について色々と考えていた時にふとこの詩が浮かびました。
ごく当たり前のことが書かれている詩なのに、何故だか心に響きます。
今や「いただきます」と唱和して食べる家庭の食卓というのも少ないのでしょう。
当然に食への日々の感謝の気持ちも薄れているのかもしれません。

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<編集長 平井敬也 拝>

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