防災意識を育てるWEBマガジン「思則有備(しそくゆうび)」

災害時におけるSNSの活用は有効?

time 2019/12/26

災害時におけるSNSの活用は有効?

日本におけるスマートフォンの普及率は非常に高く、2017年にはパーソナルコンピューターの保有率を上回ったという調査結果も発表されています。
(総務省「平成30年版 情報通信白書」より)
もはや、私たちの日常生活から切っても切れない重要なツールであるスマートフォン。それを災害時にも活用できないか?と多くの自治体がテストし、実際に運用されたケースも多く報告されています。
たとえば、2016年に起こった熊本地震では通話・トークアプリ「LINE」の“既読機能”や”タイムライン機能(多くの人と情報を共有する機能)”が安否確認にも利用されました。
さらに、2018年の大阪北部地震の際には「LINE」のメッセージ送信数が通常の5倍にまで拡大するなど、安否確認のツールとしてSNSを利用する人が増加傾向にあることがわかります。
また、安否確認に活用する以外にも、自治体がリアルタイムの災害情報を発信したり、復興支援を呼びかけたりと、多くの人に情報を発信する重要なツールとしての役割も担い始めています。

増加する自治体のSNS活用

 

 

上図は、災害時にSNSを情報発信に活用した市区町村数の推移を表しています。
2018年は、利用自治体の約44%が複数のSNSを運用しており、その利用状況はFacebook(872ヶ所)・Twitter(649ヶ所)・LINE(100ヶ所)という内訳となっています。
また、複数のSNSを利用していると答えている自治体の数も2016年からの2年間で188箇所も増加しており、災害時においてSNSを積極的に活用することの機運が高まっていることがわかります。
全国1741自治体数のうち「SNSを利用している・利用する予定」と答えたのは約62%にものぼり、ますますSNSを利用する自治体が増えてくると予想されます。
(参考:内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室「平成29年11⽉ 災害対応におけるSNS活⽤に関する⾃治体web調査」より抜粋)

SNSの活用事例

冒頭で紹介したように、2016年に起こった熊本地震ではSNSを用いた情報発信が積極的に行われました。
熊本市は平常時からTwitterで情報発信をしており運用の担当者がいることなどから、発災直後からも臨機応変に運用を行うことができていました。
とくに、「現在私は市役所におります。被災状況の確認と災害対応に全力をあげます」と発信することで市民に落ち着きをうながすと同時に、日常的な運用モードから災害時の運用モードへと利用者にわかりやすくアナウンスしています。
実際に、避難所の開設情報や医療機関の診療状況、生活再建支援に係わる情報を発信しており、発災2日後からは外国人へ向けた避難所開設に係わる情報が英語でも配信されました。
これにより、日本語に不慣れな外国人や、テレビやラジオから情報を得ることが難しい障がい者など多様なバックグラウンドを持つ人たちにも効果的に情報を届けることができました。
また、2016年8月の北海道・東北豪雨災害(台風7・9・10・11号による豪雨災害の総称)では、北海道南富良野町がFacebookを用いています。
前述したTwitterとは性質が異なるFacebookでは、町役場などに張り出してある災害情報を画像化し、公開することが積極的に行われていました。
これにより、文字情報を画像として閲覧することができるために視認性が向上しただけでなく、画像検索も可能になるなど利便性を向上させることに成功しています。
また、一度発信した情報を適時削除・更新することで閲覧者が混乱することを避けるような工夫も施しました。
Facebookの特性を活かし、Facebookを通じたボランティア募集を行うことで道内外から5500人以上のボランティアを集めることに成功するなど、災害時にSNSを積極的に活用した代表的な例と言えるでしょう。
他にも岩手県宮古市が北海道・東北豪雨災害の際に防災行政無線の内容を発信するなど、既存の情報ツールと併用している自治体も多く、幅広い層に情報を発信するという目的でSNSを活用することにより達成することができるという実例が増えています。
しかし、SNSの活用における危うさという点についても知っておくことが大切です。

SNSを使ったデマ

前述した自治体のように災害時の情報発信ツールとしての有効性が認められる一方で、SNSを利用した“デマ”が問題視されています。
私たちにとって、多くの情報を即座に収集できることがSNSのメリットでもありますが、情報の品質が定まっておらず正しい情報を取捨選択することが難しいというデメリットも指摘されています。
たとえば、熊本地震の際には「近くの動物園からライオンが放たれた」というデマが拡散され、発信源の男性は偽計業務妨害罪で逮捕されました。
災害時に精神的に不安定になったとしても、このような情報を鵜呑みにしないことが大切です。
SNS上の情報は信ぴょう性などが担保されていないため、正しい情報を手に入れるためには私たち利用者のモラルや利用方法が鍵となっていることを忘れてはいけません。
そのための方法の1つとして、自治体の“公式アカウント”などを積極的に情報源とすることが挙げられます。

上図のように、Twitterの場合は「認証済みバッジ」が付与されたアカウントであるかどうかです。
これは、Twitter社が「アカウントが本人のものである」と確認済みであることを示すものであり、公的機関や有名人、企業などのアカウントに表示されています。
つまり、このように情報発信源が明らかで情報が担保されているものを災害時に確認することが、SNSを利用するうえでは大切なことといえるでしょう。

まとめ

多くの自治体でSNSを活用した情報発信が行われており、将来的には現在よりも増加していくと予想されています。
しかし、SNSは情報の信ぴょう性の担保が難しいというデメリットもあるため、私たち利用者がモラルある方法で活用していくことも求められています。
そのためにも、情報源が信用できるかどうかを見定めることを日常的に意識し、災害時には上手にSNSを活用できるよう準備しておくのはいかがでしょうか。

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