防災意識を育てるWEBマガジン「思則有備(しそくゆうび)」

「 石碑は語る 」トークイベント開催 × 地図アプリ「MEQQE(めっけ)」と石碑の連動も…(麹町アカデミア×SEISHOP共催イベント)|森隆(防災ジャーナリスト)

time 2021/08/22

「 石碑は語る 」トークイベント開催 × 地図アプリ「MEQQE(めっけ)」と石碑の連動も…(麹町アカデミア×SEISHOP共催イベント)|森隆(防災ジャーナリスト)

「 石碑は語る 」トークイベント開催 × 地図アプリ「MEQQE(めっけ)」と石碑の連動も…

著者:森隆(防災ジャーナリスト)



「学びを遊ぶ」をモットーに少人数ゼミナールを展開する麹町アカデミアは7月16日、東京市ヶ谷のセイショップで「石碑は語る(保険毎日新聞で連載中)」をテーマにしたオンライン・トークイベントを開催した。参加者は海外在住の日本人を含め約50人。イベントでは、石碑の位置情報や日常生活のさまざまな情報が載ったジザイめっけ社(有地英之社長)の地図アプリ「MEQQE(めっけ)」も紹介。暮らしの地図情報の中で防災と身近に接することの重要性を啓発した。

麹町アカデミアは、〝いい大人が学びを遊ぶ〟をモットーに、社会科学や人文科学などさまざまなジャンルのゼミナールを展開。これまで開催した190回の講座には延べ約6000人が参加している。

「石碑は語る」トークイベントはコロナ感染症対策のためZoomによるオンライン形式で行われ、司会の平井雅也氏のほか、有地英之氏、「石碑は語る」(保険毎日新聞社刊)の著者・森隆氏の3人が参加した。視聴者は日本国内をはじめ、フランス、パキスタン、香港、米国、中国の海外在住者など約50人となり、国際色豊かなセミナーとなった。


石碑は語る~地震と日本人、闘いの碑記~
(保険毎日新聞社)

冒頭、司会の平井氏は「天災の記憶が刻まれた全国50カ所の石碑を知り、身近にある石碑を見つけて未来に備えよう」と述べ、セミナーの開催意図を説明した。

講演では、「石碑は語る」に掲載されている50の石碑のうち、北海道から沖縄まで約10カ所の石碑を地震の史実や逸話とともに紹介。一部、本文朗読や沖縄の昔話なども取り入れた。

フランスから参加した視聴者からは、「災害の記録は文書で残っているかもしれないが、地域の人全員に伝えるのは難しく、時代の変遷で文字が読めなくなる可能性も高い。帰国したら、石碑を見に、触りに行きたい」といったコメントが寄せられたほか、「石碑は先人たちからの教訓、未来への強いメッセージだと実感した」「子どもが災害に遭うのはいつの時代も痛ましい。過去、災害のあった地域では災害教育は大切」「(石碑の)場所と共に、由来、エピソード、解説を聞くことができよかった」などの感想が届いた。



写真(左から)平井雅也、有地英之、森隆

災害に強いまちづくりの一助に

引き続き、有地氏が石碑の位置情報等が載った地図アプリ「MEQQE(めっけ)」を紹介。「めっけ」は〝日常生活のかわら版〟をコンセプトに、スマートフォンで地域のさまざまな情報を地図上で検索・投稿できるアプリ。「みんなでつくる~防災の原点!石碑マップ~」をはじめ、EV充電スポットや、充電ができるカフェ・ファミレス、空き状況が分かる駐車場マップ、店舗や公園、トイレマップなど、日常生活のさまざまなシーンで使える情報が地図と連動して検索できる。

有地氏は今回の石碑マップについて、「石碑の場所や言い伝えが日常的に分かることで、初めて防災につながる。『石碑は語る』の本とスマホの『めっけ』を持って石碑を探してみてほしい」と活用方法を説明した。

防災情報は地域で身近に活用されて有効になる。日常的に使える地図とリスク情報が一体となることで、災害に強いまちづくりの一助となるはずだ。

当日紹介した全国の石碑と地震の一例

時空翔(奥尻島)


北海道南西沖地震(1993年)
平成5年(1993年)、奥尻島を襲った津波で青苗地区では壊滅的な被害を受けました。住民と観光客合わせて198名の犠牲者を悼んだ碑です。
大津浪記念碑(岩手県姉吉地区)

明治・昭和三陸地震(1896年・1933年)
明治三陸地震と昭和三陸地震で大きな被害が出た姉吉地区。悲惨な津波から住民を守るために、石碑より下に家を建てるなと諭しています。
伝えつなぐ大津波の碑(岩手県唐丹町)


東日本大震災(2011年)
唐丹(とうに)港を望む高台に建てられた東日本大震災の石碑です。5柱の石碑は小中学生など95人が熱いメッセージを刻んでいます。
避難記念碑(東京都中央区)


関東大震災(1923年)
関東大震災(1923年)で大川(隅田川)に逃げた人々。すでに対岸も火の壁。進むも地獄、戻るも地獄。その時、官史のある決断が人々を救います。
擁護璽(堺市)


安政南海地震(1854年)
標高6.96メートル。一等三角点のある日本一低い「蘇鉄山」の石碑。安政元年(1954年)の大津波から難を逃れた過去の言い伝えとは?
両川口津浪記(大阪市)


安政南海地震(1854年)
「まさか大阪に大津波?」。誰もが信じがたい悲劇を石碑は伝えています。安政元年(1854年)のある日のこと…。
南海道地震津波史碑(徳島県海陽町)


昭和南海地震(1946年)
「お母ちゃん、行けんもん」で始まる碑。その言葉は、昭和21年(1946年)の昭和南海地震津波で命を落とした少女の最期の言葉でした。
明和大津波遭難者慰霊之塔(石垣島)


八重山地震(1771年)
古文書に伝わる八重山地震(1771年)の大津波は28丈(約85メートル)。石碑はどのような地震にも倒れないというタコーラサ石近くの丘にあります。

「MEQQE(めっけ)」を使ってみんなで作る「石碑マップ」

セイショップ提供「石碑マップ」の紹介

地震や津波といった大規模な自然災害のリスクが高い日本。その災害の状況や教訓を後世に伝え遺すために作られた“石碑”が、いま防災上で見直されています。

「みんなでつくる〜防災の原点!石碑マップ〜」は、株式会社ジザイめっけの無料スマホ地図アプリ「めっけ」を利用した、日本全国にあるこれら“石碑”を登録*した無料で使える地図アプリです。

身近な石碑の情報をシェアして、みんなで防災意識を高めよう!

    POINT1:自宅や会社の近くの石碑を簡単に調べたい
    POINT2:石碑に一番詳しいのはその土地の人
    POINT3:皆で情報をシェアして皆で防災意識を高める!

石碑の教訓を防災に活かす。

地図で情報をシェアするアプリ「めっけ」を使って、今やろう防災アクション。

石碑マップでできること

・地図から簡単に、石碑の場所を調べられる。

・石碑の内容を写真付きで紹介*

・石碑は誰でも登録できます。

身近な石碑を登録して、ぜひシェアしてください。

*2021年7月、51カ所の石碑を登録(協力・監修:書籍「石碑は語る」著者・森隆氏)
*2021年8月16日、アップデート(第1回)東北・北海道エリアの224カ所の石碑データを追加(国土地理院自然災害伝承碑データ)
*2021年9月01日、アップデート(第2回)関東・甲信越・中部エリアの264カ所(合計539カ所)の石碑データを追加(国土地理院自然災害伝承碑データ)
*今後も続々石碑データをアップデート(全4回)予定です。

アプリのインストールは下記リンクから行えます!

無料で使える地図アプリ「MEQQE(めっけ)」をDOWNLOADする

MEQQE logo

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著者:森隆(もり・たかし)


防災ジャーナリスト。日本ペンクラブ会員。昭和51年、明治大学商学部卒。
広告代理店のコピーライターを経て、保険毎日新聞社記者に。東日本大震災以降、宮城、岩手、福島など被災地を巡り、取材活動を続ける。特に、保険毎日新聞では東日本大震災特集をはじめ、被災した保険代理店の苦闘を描いた「被災地の星」シリーズ、福島第一原発周辺の保険問題を探った「南相馬からの伝言」、さらに、被災地の状況を新聞記者の目から伝えた「被災地を行く」など、震災関連のテーマを数多く手掛ける。一方、歴史的に数多くの津波を経験してきた三陸沿岸地域で、なぜ過去の言い伝えが生かされなかったのか、その答えを探るべく、全国に飛び、各地に点在する石碑を取材する。『石碑は語る』は保険毎日新聞の連載コラムとして2011年8月からスタート。
著書に『石碑は語る』ほか、地震保険をテーマにした『証言・東日本大震災: 1兆2000億円の地震保険金』『決断 東日本大震災と「地震保険」ー未踏の仕事に挑んだ対策本部指揮官たちの闘い』がある。

【関連リンク】
・石碑は語る 保険毎日新聞社:https://xn--ruqx54cset6urxsx7j532b.jp/mokuroku/12-038.htm
スマホアプリ「MEQQE(めっけ)」(iPhone AppStore)
スマホアプリ「MEQQE(めっけ)」(アンドロイド Google Play)
・麹町アカデミア株式会社(運営):http://k-academia.co.jp/

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