防災意識を育てるWEBマガジン「思則有備(しそくゆうび)」

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しっぺ返し(福島原発放射能漏れ事故の余波)

time 2011/03/30

しっぺ返し(福島原発放射能漏れ事故の余波)
しっぺ返し(福島原発放射能漏れ事故の余波)  [編集長コラム]

福島原発事故を受け、日本の輸出品が深刻な風評被害にさらされている。

と先ほどNHKテレビニュースで報道されていた。

欧州、アジア各国など世界中の取引会社が、日本製品や日本の食材・食品の輸入をキャンセルしているという。
また、日本から海外に輸出される商品には、放射能汚染されていないか証明書の提出を海外の取引会社から求められるケースも多発している。

それがたとえ、九州や四国や近畿の商品であっても・・・。

理由も告げられずキャンセルされるのはつらい。
ただ、証明書を出せというのは、キャンセルよりは救われている。
相手の求めた条件(欲求)を満たせば良いだけなのだから。

このニュースの中に出てきた繊維業界「帝人」の担当者は、
輸出する自社製品の工場は福島原発から800km離れている、
といった趣旨の独自作成した「証明書のようなもの」を輸出先企業へ提出し対応する、と仰っていた。

ただ、もし、それでも相手先が納得しなかったら・・・どうするのか。

テレビの担当者は、製品ごとに放射能汚染の検査をして検査結果の数値データを送らないといけない、と話す。

これにはコストと手間隙がかかるだろう。

ここで終われば単なる風評被害だった、というだけで済む問題だ。
(それでも問題は深刻だけれど)

しかし、それだけやってもダメといわれる場合も当然あるのだ。

「自社で作った資料では信用できないダメだ」といわれる場合だ。

この場合、取引先の海外企業からは、以下のような理由も告げられる。

「お客様(エンドユーザー)や、取引先、もしくは入札先(主に行政担当者)が気にしている。だから貴社製品の安全性を担保できるだけの公的な証明書を出して欲しい」と。

海外の取引先企業にだって、当然、相手(販売先)がいる。
その相手からの依頼なのだから、日本政府や自治体による安全性の公的な証明書を出しなさい、と言われる。

こうなると、
一私企業が、国へ依頼して行政の担当者のハンコが押された書類を引き出す
となればかなり困難だろう。

でもね、このお話しは、日本の行政機関が海外の企業に対して今まで普通に取ってきた行動そのものである。

例えば、アメリカのどこかの地方で鳥インフルエンザが発生したと報道される。

行政などに鶏肉や鶏肉加工品を卸している日本の会社に、
行政の担当者なぞから「その食品が鳥インフルエンザに汚染されていないと証明する公的な文書を添付しないと買わない」と言う。

工場は、ウイルスが発見された場所から、2000km以上はなれているし、
米国政府も大統領も「アメリカの鶏肉は安全です」と公式に発言しています、
と、安全性をいくら説明しても、
「ちゃんと米政府担当官のサインが入った公的書類じゃないとダメだ」
と言う。

ただ、この担当者は、自分では責任を一切取りたくない、だけなのだ。
自らの保身だけしか考えていない。

だから「政府も大統領も安全と公式発言しているからわざわざ書類は必要ないでしょ」とは考えない。

もし、万が一、いや、億が一でも、鶏肉を食べた人に何かがあったら、自分の責任になるかもしれない。
0.000000001%も責任を取りたくない。

安全性というものに100%はあり得ない。
どんなものにも何らかのリスクは常にある。

安全な水道水を飲んで下痢をする人だって世の中に1人はいるだろう。
ならば、その1人の下痢リスクのために、全水道を止めるのか。
答えはナンセンスだ。

だから、世の中というのは、これこれは、ある程度まで許容されるレベルである、
という判断を担当者が自分で決断して、輸出入が決まって、物事は円滑にまわっている。

これが「責任」である。責任には「覚悟」も必要だろう。
覚悟も責任もない、というのは、あり得ない。
大なり小なり責任は付きまとう。
それを避けるのがコンプラだったりリスクマネジメント(危機管理)だ、と言えば
その通りだが、都合よく自分でリスクヘッジを拡大解釈してしまっては、社会害悪だけでしかない。
でも世の中には、そういう人もいるということだ。
特に役人に多かったりする。

日本が商取引の面で海外から嫌われる理由の一つでもある。
苦渋を飲んできた海外担当者の嫌がらせ(しっぺ返し)とならなければ良いが・・・。

ばかばかしい。
けども現実にある。

日本の会社がかわいそうだ。

<編集長 拝>

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