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スマトラ地震外交騒動

time 2005/08/10

スマトラ地震外交騒動
地震外交 顛末記(スマトラ地震外交騒動)  [編集長コラム]

昨年末に、死者数十万人を出したスマトラ島沖大地震とインド洋大津波が発生した直後、アメリカ、フランス、中国などで、国際支援の主導権争いをめぐる外交合戦が勃発した。

被災した地域への人道支援を通じて「東アジア地域への影響力を強めたい」という大国同士のエゴが、国際舞台でぶつかり合ったかに見えた。しかし、結果的に、この外交合戦が各国の援助金額を飛躍的に跳ね上げ、素早い人道支援活動にと結びついていった。結果オーライであった。

昨年、東アジア地域では日中韓の3ヶ国が中心となって、東南アジア諸国連合(ASEAN)との間で、自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)などの議論が交わされ、EUに対する「東アジア共同体構想」の話題で持ち切りだった。アジアの盟主たる中国の政治的な意図も徐々に明らかとなってきた時代ともいえる。ところが、このアジア共同体構想に、アメリカとオーストラリアは参加すらさせてもらえず、仲間外れにされてしまった。

アメリカの内心はもちろん穏やかではない。そんな頃に、大津波が発生した。

津波から僅か3日後にブッシュ大統領は、日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4ヶ国で人道支援のための有志連合を組むと発表した。

そして、米主力部隊の第七艦隊をマラッカ海峡へ急遽派遣し、日本の海上自衛隊もタイ沖で救援活動にあたった。

確かに、組んだメンバーと時期を考えると、アメリカ主導の東アジア連合結成だと誰もが思ってしまう。

これに驚いた中国政府は、地震発生当初に日本円で約2億8千万円をスマトラ地震復興に援助すると発表していたが、急遽、62億円の追加援助を表明。

欧州連合(EU)も反発を強め、フランスのシラク大統領は「人道支援は国連主導で進めるべきだ」とアメリカの連合に対する批判をした。

そんなやりとりの中、地震から僅か1週間ほどで、各国は競うように支援額を積み上げて行き、その規模は過去最大の総額50億ドルにまで膨らんだ。

結局、国連のジャカルタ会議での国連主導との国際世論もあり、米国のパウエル長官が「連合の活動目的は果たした」とあっさりと連合を解散してしまい、全てが丸く納まって一連の騒動は終息した。

その姿勢に、国際協調の姿を一瞬でも垣間見た気がしたのだが・・・やれやれ。

<編集長 拝>

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