イギリスやフランスなど、エアコンが普及していない欧州では前例のない記録的な熱波と干ばつが猛威をふるっています。
熱中症による死者だけでなく、インフレに苦しむ欧州では、干ばつによる食料・エネルギー価格の更なる高騰が心配されます。
イギリスでは7月19日に、これまでの同国の最高気温記録(38.7度)を超える、観測史上最高気温40.3度を記録したといいます。
ポルトガルでも7月14日に47度、スペイン北部でも7月18日に43度、フランス各地も19日には40度超えとなるなど、地中海周辺国では、熱波による山火事が相次ぎ報道されました。
ジェット気流(風速の大きい気流)が天候を左右することが知られていますが、今回もジェット気流の蛇行が原因とされるそうです。
先日、こうした熱波は今後数十年でより頻繁に起きる―――、と国連・世界気象機関(WMO)ターラス事務局長は警告を発し気候変動対策の強化を訴えました。
地球のある一地域で発生した極端な気象現象が、別の地域の異常気象と密接に関係していることが地球科学上でよく知られています。
その昔、経済学者のボールディングは、閉じられた地球という一つの星では、人類はお互いに有限な環境資源を利用して生存をはかる宇宙飛行士のようである、と言って人類の共存・共滅に対して警鐘を鳴らしました。
今年は欧州諸国をはじめ、大国の中国やアメリカも熱波が襲ったため、今後、地球温暖化の問題の議論は世界的に益々活発化していきそうですね。