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赤ちゃんが産まれたら、もしもの災害に “液体ミルク” を備えてみませんか。

time 2021/02/02

赤ちゃんが産まれたら、もしもの災害に “液体ミルク” を備えてみませんか。

2019年3月に日本での赤ちゃん用「液体ミルク」の製造・販売が解禁され、発売から1年の間に、液体ミルクは子育てをするパパ・ママの大半(87.1%)に知られる存在になりました。
※江崎グリコ株式会社「液体ミルクに関する調査」2020年3月5日より

液体ミルクとは、「母乳に近い栄養成分」がありながら、「調乳が不要」で、「常温でそのまま飲める」赤ちゃんのためのミルクです。
江崎グリコ株式会社のサイトには「新生児から飲める安全性と、そそぐだけで準備できる簡単さを両立」とあります。

一方、粉ミルクの調乳は、細菌感染を防ぐために、煮沸後少し冷ましたお湯(70℃以上)を準備し、そのお湯でミルクを溶かした後、お湯または湯冷ましを加える、というなかなか手間のかかる作業が必要です。
さらに器具の洗浄や消毒もしなければなりません。

災害時の備えとしての液体ミルク


液体ミルクは「調乳が不要」で、「常温でそのまま飲める」、つまり衛生的な水やお湯、容器の煮沸消毒が必要なく、容器内のミルクをそのまま飲むことが出来るので災害時においてもその有用性が注目されています。

参考までに、株式会社明治では、災害時に哺乳瓶で授乳出来ない場合に紙コップを使って授乳する方法を公式サイトで紹介しています。
※参考サイト:災害時に備えて|「明治ほほえみ」の公式サイト

2019年10月、内閣府と厚生労働省は全国の各自治体に向けて「災害時における授乳の支援並びに母子に必要となる物資の備蓄及び活用について」という文書を発信し、液体ミルクを災害時のために備蓄するよう要請しています。
また、2019年の台風19号の際は、SNSなどを通じて液体ミルクの備蓄が呼び掛けられ、乳幼児のいる家庭で実際に購入の動きが広がり、販売が通常時の6倍に伸びる(株式会社明治調べ)ということもありました。

ちなみに、2011年3月11日の東日本大震災の際に避難所で乳児向けに配布されたのは、粉ミルクと水でした。しかし、電気やガスが寸断された地域では粉ミルクの調乳に必要なお湯、つまり「水を煮沸させることが難しく、対応に苦慮」したそうです。
災害時の「液体ミルク」については、2016年4月の熊本地震の時に、駐日フィンランド大使館が被災地へ救援物資として送ったことを契機に、災害時の有効性が話題となり、日本での製造・販売が2018年8月に解禁され、2019年3月に国内メーカーでの販売がスタートしました。

日本で販売されている液体ミルクそれぞれの特徴


さて、赤ちゃんが産まれて防災に興味を持ったご家庭も多いのではないでしょうか。

日本国内で液体ミルクの販売がスタートした2019年3月以降に赤ちゃんを迎えたご家庭では、実際に液体ミルクを購入、使用したことがあるパパやママも多いと思います。
液体ミルクは災害時だけでなく、深夜などの眠い時、疲れている時、外出時など、普段の子育てでもパパやママの助けになりますね。

日本国内で販売している液体ミルクは3種類です(※2020年12月現在)。

一つは、江崎グリコ株式会社が販売している「アイクレオ赤ちゃんミルク」です。
内容量は125ml、容器は紙パックで、賞味期限は6か月、メーカー希望小売価格は200円(税別)です。

二つ目は、株式会社明治が販売している「明治ほほえみ らくらくミルク」です。
内容量は240ml、容器はスチール缶で、賞味期限は1年、メーカー希望小売価格は215円(税別)です。

三つ目は、雪印ビーンスターク株式会社が販売している「ビーンスターク液体ミルク すこやかM1」です。
内容量は200ml、容器はスチール缶で、賞味期限は365日、メーカー希望小売価格は215円(税別)です。
(※「ビーンスターク液体ミルク すこやかM1」は2020年10月から販売休止中です。(2021年2月現在)

三つ商品の大きな違いは賞味期限の長さと価格です。

10mlあたりの価格を比較するとアイクレオが16円、らくらくミルクが9円、すこやかM1が11円と、らくらくミルクがコスパが良く、アイクレオが高く設定されています。
ちなみに摂取カロリーや栄養成分に極端な違いはありません。

液体ミルクは一度開封すると使い切らないといけません。
そのため、一見するとらくらくミルクがコスパが良いのですが、母乳とミルクの混合栄養の赤ちゃんや月齢が低く、1回に飲むミルクの量が少ない赤ちゃんには適していません。
それぞれの液体ミルクの特徴をもとに、どんな家庭にどのミルクを備えるのがよいのか、以下にまとめたので、ご家庭にあった液体ミルクを考えてみましょう。

◎完全ミルク、混合栄養で1回に飲むミルクの量が125ml未満の赤ちゃんの場合

アイクレオ 赤ちゃんミルク がおすすめです。

完全ミルク、混合栄養で普段からミルクを飲んでいて、1回に飲むミルクの量が125ml未満の赤ちゃんには、アイクレオがおすすめです。災害時だけでなく、疲れている時や、眠い時などにも使用して、ローリングストック法で使いながら備蓄していくことをおすすめします。紙パックなのでお出かけの時にも軽くておすすめです。缶用のゴミ箱を探さなくて良いのも楽ですね。最低でも3日分、出来れば1週間分を備蓄し、賞味期限の近いものから使っていきましょう。ちなみに、紙パック用乳首を利用すれば、直接紙パックにつけて授乳することが出来ます。
※参考サイト:どこでもすぐ飲める「紙パック用乳首」|ChuChu

◎完全母乳または、完全ミルク、混合栄養で1回に飲むミルクの量が240mlに近い赤ちゃんの場合

明治ほほえみ らくらくミルク がおすすめです。

完全母乳で赤ちゃんを育てているご家庭では、「母乳が出るから液体ミルクなんていらないよ」と思われるかもしれません。
しかし、災害時には普段は母乳がたくさん出ているママでも、疲労やストレスによって母乳がでにくくなることがあります。完全母乳のご家庭でも、もしもの災害に備えて液体ミルクを備蓄しておきましょう。そして、普段は液体ミルクをほとんど使用しない完全母乳のご家庭には、賞味期限が一番長くコスパの良いらくらくミルクがおすすめです。使わないかもしれないのにわざわざ買っておくのはもったいないと思うかもしれませんが、万が一に備えておくと普段から安心できます。また、賞味期限を迎える前に卒乳・断乳をした場合、ミルクは離乳食にも活用できるので無駄にはなりません。何事もなく無事に賞味期限を迎えられることに越したことはありませんね。
完全ミルク、混合栄養で育てていて、赤ちゃんが1回に飲むミルクの量が240mlに近い場合も、3製品の中で一番コスパの良いらくらくミルクがおすすめです。前述のローリングストック法で普段から使いながら備蓄をしていきましょう。
ちなみに、らくらくミルクの6本パックにはアタッチメントがセットになって販売されています。
※参考サイト:らくらくミルク アタッチメントの使い方|「明治ほほえみ」の公式サイト

◎完全ミルク、混合栄養で1回に飲むミルクの量が200mlに近い赤ちゃんの場合

⇒ビーンスターク液体ミルク すこやかM1 がおすすめです。
アイクレオとらくらくミルクの中間の量なので、赤ちゃんが1回に飲むミルクの量がアイクレオでは足りないけれど、らくらくミルクでは多すぎるという場合にはすこやかM1がおすすめです。

小タイトル:粉ミルクに比べると割高な液体ミルク
準備が楽、外出時の荷物が減らせる、とメリットの多い液体ミルクですが、一番のデメリットはコストです。液体ミルクと同じメーカーの同じラインの粉ミルクは、アイクレオ、ほほえみ、すこやかともに10mlあたり約4円で、液体ミルクは、粉ミルクに比べて2.25倍~4倍の価格になります。さらに液体ミルクは、一度開封するとすぐに使い切らないといけない為、余ったミルクは廃棄せざるを得ず、非常にもったいないです。
また、缶の粉ミルクの保存期限は開封しなければ1年~1年半と言われており(開封後は1ヶ月)、実は保存期限については液体ミルクとそれほど変わらないか、もしくは粉ミルクの方が長いくらいです。
それでも、赤ちゃんが産まれたら液体ミルクを備えておくことをおすすめする一番の理由は、調乳に煮沸したお湯が必要ないことです。もしもの時に水もお湯も必要なく赤ちゃんにミルクを与えられる、この安心の為に災害時の備蓄用として液体ミルクを備えておくことをおすすめします。
普段から粉ミルクを使用している家庭では、備蓄の一部は液体ミルク、一部は粉ミルクをローリングストックでという様に併用していくことも良いでしょう。

まだ液体ミルクを使ったことがない家庭は、まずは液体ミルクを使ってみてください。いざという時に慌てないために、普段から液体ミルクを使っておくことをおすすめします。(グルメな赤ちゃんは飲み慣れていない銘柄のミルクを嫌がることがあります。)
割高ですが、災害時だけでなく普段の育児でも液体ミルクに助けられる時があるかもしれません。


赤ちゃん用液体ミルク、解禁される

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