防災意識を育てるWEBマガジン「思則有備(しそくゆうび)」

東日本大震災から6年 津波の脅威を風化させない取り組み

time 2017/06/28

東日本大震災から6年 津波の脅威を風化させない取り組み

2011年3月11日に発生した東日本大震災。最大震度7の地震とともに発生した津波により多くの人命が失われました。この大きな犠牲を忘れず教訓として、将来の災害に備える取り組みが各地で行われています。

津波の脅威を風化させない「さまざまな取り組み」

東日本大震災から6年経った2017年3月11日、銀座のソニービルの壁一面に文章だけの広告が掲示されました。

白地に黒色の文字で文章がかかれている中、「ちょうどこの高さ」と記載された文字には赤い背景色がついていて、ちょうど岩手県大船渡市で観測された16.7mの津波の高さの位置になっています。

『Yahoo!JAPAN』が出したこの広告は、津波の高さを感じさせ、防災意識の向上へとつながるとインターネット上で話題となりました。

また、津波を想定した避難訓練も全国で実施されています。
静岡県の沿岸部では18市町から約8万7千人が参加し、避難路の確認や避難時間の計測が行われました(2017年3月12日実施)。同日、南海トラフ地震における想定最高津波水位が約3.3mである神戸・東灘区でも住民約1000人が参加した訓練を実施しています。災害時に落ち着いて行動できるように日頃からこうした訓練を行うことは非常に大事なことです。

時期を同じく、東日本大震災で被災した宮城県南三陸町歌津の寄木地区で実施された住民の津波防災意識を探る調査では、「震災に関して日常生活で「毎日」振り返る」との回答が11.9%、「時々」振り返るとの回答が71.2%。「今後起きる地震や津波に備えて対策をしている」と回答した方が83.1%と、見習うべき高い防災意識があるのがわかります。ここ寄木地区でも大津波を想定した避難訓練を定期的に行い、避難経路や津波から船を守るための「船の沖出し」についての議論もなされています。

津波に関しては、東日本大震災以前も大きな災害がありました。
1896年に岩手県の釜石市で発生し、死者・行方不明者21,959人という被害が出た明治三陸地震津波もその一つです。三陸沖を震源としたマグニチュード8.2から8.5の地震に伴い、海抜38.2mを記録する津波が発生し大きな被害を与えました。海抜38.2mは、東日本大震災前までは本州における観測史上最高の遡上高でした(遡上高とは陸へ駆け上った際に到達した高さ)。
次では岩手県三陸海岸生まれの作家で明治三陸地震津波で家族を失った山下文男の防災の格言をご紹介します。

津波に関する防災格言

『 防波堤があろうがなかろうが、自分の命は自分で守る意識が大切だ。 』
山下文男(1924~2011 / 作家 津波災害史家 代表作「津波ものがたり」)

明治三陸地震津波では山下氏の一族8人が溺死しており、少年時代には津波や昭和東北大凶作(1930~34年)を体験しています。
晩年は歴史地震研究会の会員として津波防災の活動に従事されました。

この格言は、明治三陸大津波から百年の追悼式典(岩手県田老町で1996年開催)に出席したときの言葉です。

この式典の約4ヶ月前(2月17日)に発生したニューギニア沖地震(M8.2)で太平洋沿岸に津波警報が発令されました。ところが三陸沿岸の住民の96%が避難勧告を知りながら「我が家だけは安全だと思った」という理由から、実際に避難した人はわずか19%だけだったのです。この格言は、高さ10mの防波堤があるからといって安心してはいけない、と山下氏が警鐘を鳴らしたものです。

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