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「阪神・淡路大震災」から学ぶ「防災」

time 2017/06/28

「阪神・淡路大震災」から学ぶ「防災」

阪神・淡路大震災(平成7年(1995年)兵庫県南部地震)から数十年が経ちます。都市型の災害として戦後最大といわれる阪神・淡路大震災からは、未だ私たちが学ぶべきこと数多くあります。そこで今回は改めて阪神・淡路大震災を振り返っていきます。

阪神・淡路大震災とは

1995年1月17日午前5時46分に淡路島北部、深さ16キロメートルを震源としたマグニチュード7.3の地震が発生しました。神戸と洲本では震度6を観測し、詳細な現地調査を行った結果、神戸市内や淡路島では国内史上初の震度7に達していることがわかっています。地震の揺れは関西地方にとどまらず、北は新潟県から南は鹿児島県まで広い範囲に及んでいます。(下図)

震度分布

(参照:http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/1995_01_17_hyogonanbu/data.html

阪神・淡路大震災は内陸型地震(直下型)であり、地震の特長としては海溝型の地震と比べて地震の規模が小さく、範囲は20km〜30kmほどと予想されています。しかし、震源地が都市直下で浅い場合には、局地的に激しい揺れを起こし被害は甚大になると言われています。また地震を事前に予測することはほとんどできません。

阪神・淡路大震災においても地震の事前予測はできませんでした。しかし、長期予測として大地震の可能性は公表されており、地震発生前より六甲・淡路島断層帯に「マグニチュード7.3程度の地震が0.02%~8%程度で発生する可能性がある」という内陸部の地震としては比較的高い発生確率が指摘されていたのです。こうした情報があったにも関わらず、防災対策は十分ではなく被害は拡大していきました。

被害状況

地震による被害は、死者6,434名、負傷者43,792名、住家全壊104,906棟、住家半壊144,274棟、全焼7,035棟にのぼりました。(総務省消防庁の統計より)死亡原因は圧死が8割近くを占めています。新しい家屋では、比較的2階は残っている場合がありましたが、古い木造住宅では家屋が倒壊し下敷きになって、多くの方が亡くなられました。

そして、インフラやライフラインの被害も深刻でした。最優先すべき人命救助においても、道路の大渋滞のために救命部隊の到着が遅れ、被災地以外から物資を届ける輸送車両も渋滞に巻き込まれています。

またライフラインは、神戸市全域で復旧するまで、電気が6日、ガスが84日、水道が90日、下水道が93日、電話が14日と長いもので3ヶ月ほどの期間を要しました。
(参照:https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/sinsai/graph/p3.shtml

阪神・淡路大震災から学ぶ「備え」

・家屋の耐震対策や家財の転倒防止
8割近い死亡原因となった「圧死」を防ぐには、家屋自体の耐震対策が必要です。そしてタンスや棚などが動かないようにする転倒防止策は早急な避難や怪我の防止に有効になります。また就寝場所は1階ではなく2階にしておくことも対策の一つと言えるでしょう。

・生活用水の確保
被災者が最も困ったのが「生活用水の不足」ということが西宮市の市民意識調査でわかっています。
生活用水がなければ洗濯や入浴、トイレなどが満足にできません。雨水を貯めたり、井戸からくみ上げたりと水を手に入れるのも一苦労でした。

これら以外にも、避難場所や連絡方法を事前に家族で話し合いをしておくことや、飲料や食料品や防災グッズを備蓄しておくことは非常に大切です。

阪神・淡路大震災を教訓に

震災の後に、「大きな地震が起こったので同じ場所ではあと1000年は地震がこない」と安全神話が囁かれましたが、そんなことはありません。

阪神・淡路大震災は、六甲・淡路島断層帯主部の野島断層が活動した地震でしたが、揺れ残りがあるという研究もあり、今後も六甲山地南縁-淡路島東岸区間と淡路島西岸区間が単独もしくは同時に活動する可能性が指摘されています。将来的な地震発生の確率は30年以内に、ほぼ0%~1%、地震の規模はマグニチュード7.9程度とされ、今後30年の間に地震が発生する確率として日本の主な活断層の中ではやや高いグループに属しているのです。

阪神・淡路大震災と5つの防災格言

阪神・淡路大震災によって「日本は安全」という神話は存在していなかったということを身を持って知ることとなりました。最後に阪神・淡路大震災に関する防災の格言をご紹介して終わりにしたいと思います。

『 政府、自治体、そして国民も被害に対する兵站へいたん戦略を備えておく必要があります。次に何をするか考えておかないといけません。災害ストラテジー(戦略)が国民の常識となることが大切です。 』
小松左京(1931~2011 / SF作家 文明評論家 代表作「日本沈没」)

『 どかんと揺れ始めてからは立ち上がることもできなかった。
あの時の恐怖感はとても言葉では言い表せません。 』
イチロー(1973~ / プロ野球選手 米ニューヨーク・ヤンキース所属)

『 命のインフラであるライフライン、
人や組織をつなげるヒューマンライン、
心を結ぶコミュニケーションライン。
より高度な欲求を満たす三つのラインが備わって初めて、
人々は安全・安心で快適な生活を感じることができる。 』
久我 徹(1934~没年不知 / 元博報堂常務取締役 元博報堂関西支社長)

『 備えても備えたとおりに来ないのが災害 』
依田智治(1932~ / 元自民党参議員 元防衛事務次官 元警察官僚)

『 忘れられんなあ。教訓は忘れちゃいかん。絶対に忘れちゃいかん。 』
村山富市(1924~ / 政治家 社民党初代党首 元内閣総理大臣)

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