防災意識を育てるWEBマガジン「思則有備(しそくゆうび)」

災害ボランティアって何をするの?活動の内容および参加方法

time 2019/03/12

災害ボランティアって何をするの?活動の内容および参加方法

1995年の阪神・淡路大震災をきっかけにボランティア活動が定着し、被災地の復旧・復興に欠かせない活動となりました。家屋の片付けや炊き出し等の直接的な復旧支援のみならず、被災者の活力を取り戻すための交流機会作りや被災者への寄り添いなど、災害ボランティアは被災者ニーズへの対応を中心とした活動を行います。

災害ボランティア活動とは

地震や水害、火山噴火などの災害発生時から復興に至るまで、被災地のために復旧・復興の手伝いを行う活動のことです。災害ボランティア活動をしてみたいと思ったときは、東京ボランティア・市民活動センターのホームページが参考になります。

災害ボランティアセンターの活動内容

1.災害ボランティアセンターとは

災害時に被災地に設置されて災害ボランティア活動の拠点で、その運営は、被災した地域の社会福祉協議会、ボランティア活動をしている団体、および行政が協働して行います。近年では、被災地でのボランティア活動を円滑に進めるための仕組みとして被災者のニーズとボランティアをマッチングする拠点「災害ボランティアセンター」が設置され、市町村などと連携してボランティアが被災地のニーズに即した円滑な支援活動ができるようになってきています。場合によっては、被災地外の災害ボランティアセンターの運営経験者・団体が支援することもあります。

2.主な活動内容

2-1 被災地でどのようなニーズがあるかの把握
家の片付け、避難所運営の手伝いなど、場所や必要人数などを把握します。

2-2 ボランティアの受け入れ
ボランティア活動希望者の受付、情報提供、必要なボランティアの人数などの調整と派遣場所への配置などを行います。

2-3 道具・機材・資材などの貸し出し
活動のために必要な道具や機材・資材を調べて準備し、貸し出し作業を行います。

2-4 ボランティアを支援しボランティア活動の効率的な実施を促進
ボランティアが活動しやすいように支援します。

2-5 ボランティア活動の総括
活動結果について、気がついたこと、住民からの要望などをまとめて、新たな災害が起きたときの活動のために参考にできる教訓や情報を整理し、また改善すべき点はみんなで話し合って対応策を考えて報告書に記載することなどを行います。

画像引用:内閣府

具体的な災害ボランティアの活動内容

災害ボランティア活動をするときは、「自主性・主体性の原則」「無償性・無給性の原則」「社会性・連帯性の原則」「創造性・開拓性・先駆性の原則」の4つの原則に従って、被災した人が困っていることすべてについて以下のような活動を行います。

  • 避難所で洗濯の手伝いや炊き出しなど食事の準備、配食作業
  • 生活支援物資の搬送・整理・配布
  • 話し相手
  • 子どもの遊び相手
  • ペットの世話
  • 災害時の生活支援に役立つ情報の収集と提供
  • 買い物などの家事の代行
  • 家財の片付けやゴミの搬出
  • 家の清掃
  • 被災者を元気づけるイベントの企画・実施
  • その他、復旧・復興のための活動
  • 被災者やボランティア活動を支援する募金運動

災害ボランティアの心構え

災害ボランティアを行いたいと思っても、何の準備もせずに参加しては、かえって被災地に迷惑をかけることにもなります。
被災地の情報収集や持ち物の準備など、被災地に負担をかけない心備えを持って参加しなければなりません。また、危険な地域での活動は避けるようにしましょう。
「被災者の気持ちを考えた支援」、「自己管理と自己完結できる行動」に気を付けて行うことが重要です。

1.被災者の気持ちを考えた支援とは

休憩時間などにボランティア仲間と活動内容を大きな声で話をしたり、談笑したりすると周りにいる被災者の住民は気持ちが落ち込んでいて、大きな声で話すことも、笑う気にもならない気持ちでいる可能性があります。常に被災者がどのような思いでいるかを意識して行動しなければ、意図していないにもかかわらず被災者を傷つけ、気分を害してしまいます。
例えば、何げなくボランティア活動の記念のつもりで被災した家屋などの写真を撮る行為も被災者の心を傷つけます。むやみな写真撮影は控え、どうしても撮影をしたいときは必ず許可を得てから撮影しましょう。また、自分では良いことと思っていることでも決して押し付けるのではなく被災者の気持ちを確認してから支援を心がけることが大切です。

2.自己管理と自己完結できる行動とは

被災地に、事前の準備もせずに参加しては、まともな支援活動ができません。往復の交通費、宿泊先の確保、ボランティア活動保険への加入(加入していないと通常ボランティア活動ができません)、その他、支援活動をするために必要な最低限の服装や持ち物(帽子、ヘルメット、マスク、手袋、タオル、長靴または運動靴、着替え、雨具、常備薬、飲食物など)を持って参加。被災地の住民や災害ボランティアセンターのスタッフの手を極力借りることなく自己完結した活動ができるようにしなければなりません。
また、無理や危険な行動はもちろん、普通の行動でも被災地では、がれきなどでケガをしやすいので細心の注意を払って自己管理をしっかりして行動します。もし、体調がすぐれない場合は、無理をしないでボランティア活動をやめることも大切です。無理をすると他人にかえって迷惑をかけます。

災害ボランティア活動への参加方法

参加は、個人参加と団体参加の2つの方法があります。いずれの場合も、全国社会福祉協議会のホームページ、および各都道府県・市町村社会福祉協議会のホームページまたはSNSなどでボランティアの募集に関する新着情報やボランティアをするときの注意事項が掲載されています。
個人参加の場合は、被災地に行って活動する前に、現地でどのようなボランティアのニーズがあるかの情報を把握し、災害ボランティアセンターと活動の段取りや被災地まで行く段取りを確認しなければなりません。確認せずに被災地へ行くとボランティアを受け入れていなかったり、災害支援活動に必要な器具、用具がなくて何もできなかったりする可能性があります。
団体で参加する場合は、被災地の社会福祉協議会、生協、防災士会などが主催者としてボランティア団体を募集していれば、それに参加を申し込みます。個人で行う上記のほとんどを主催者が確認・調整・手配してくれます。主催者のスケジュールに合わせなければならないというデメリットはありますが、それさえ問題なければ、手間が省けて確実にボランティア活動ができるので団体参加がおすすめです。

まとめ

被災者に寄り添って被災者が望む支援活動を行うことは、被災地の復旧・復興に寄与できるとてもやりがいのある活動です。しかし、災害ボランティア活動をするにあたっては、事前の準備や被災地の情報収集の必要性など知っておかねばならないことがあります。
必要な知識や大切な心構え、および参加方法を理解して、被災地に貢献できる災害ボランティア活動を行ってください。

参考サイト

災害ボランティア活動への参加方法

ボランティア保険

ボランティア活動の4原則

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