一般に食料自給率と言うとそれは総カロリーを人口で割ったカロリーベースの食料自給率を指します。日本は公式発表で2002年度が概ね39〜40%、これは先進国でも最低ランクです。
ずっと自給率100%だと思われている米でさえ、今は輸入が当たり前の自給率96%。海産物も年々輸入量が増大傾向にあり、今では魚介類の半数以上は輸入品です。
飽食の時代なんて騒がれて、巷には食料が溢れかえっていますが、そのほとんどは輸入品なのです。また、重要なことは、牛、豚、鶏卵などを食料として生産するためには、飼育するための穀物(飼料=エサ)が必要だということです。この飼料も日本では28%以下しか自給自足できていない訳ですから、残りの72%という大部分を輸入に頼りながら食料を生産していることになるのです。
つまり、例えば、国産飼料だけで育っている豚は国内の豚肉の僅か6%だけという状況で、言い換えると94%の豚肉が何らかの形で輸入に頼っているのです。
最近人気のラーメンで例えると、ラーメンの自給率は僅か3%。ラーメンの麺やスープの実に97%は輸入品です。
笑い話にありますが、国産なのはネギ(自給率98%)だけと言っても良いくらいですね。
先週テレビのワイドショーで『 仙台名物の牛タンが食べられなくなる 』と報道されました。仙台で消費される牛タンの99.6%が輸入品だからです。その内80%以上は米国産牛のため、昨年末(2003年12月24日)アメリカで1頭の牛にBSE(狂牛病)が見つかった事にはじまる日本政府の米国産牛の禁輸処置で<牛タンが食べられなくなる>といった事情だそうです。同じく食べられなくなるという報道では、世界進出をしている巨大外食チェーンの吉野家さんの牛丼も話題になっております。牛丼に使われる牛肉の100%が米国産だからですね。
吉野家のような大企業であっても、僅か2ヶ月で在庫が底を尽いてしまうという事実に注目してください。つまり、日本は世界最低レベルの食料自給率のために、何かのキッカケで、食品輸入のライフラインが一旦途切れてしまえば2ヶ月もたたずに食料が市場から姿を消す危険性を秘めているということです。
今現在の食料の輸入を支えているのは、穀物など生産量の豊富な輸出国が何ヶ国か存在し、外交や政治や国内の経済力などの社会資本や社会環境という条件が密接にバランスを取って、たまたまもたらされている恩恵なのかもしれません。
僅か40年足らずで自給率が半分近くも落ち込んでしまった日本の食糧事情について、私たちは危機意識と言わないまでも、もっと感心を払うべきなのではないでしょうか?
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