防災意識を育てるWEBマガジン「思則有備(しそくゆうび)」

春分と秋分と暑さ寒さも彼岸まで…

time 2023/09/26

春分と秋分と暑さ寒さも彼岸まで…

2023年9月26日は、秋彼岸の「 彼岸明け 」、そして、9月29日は一年で最も月が美しく見えるとされる「 十五夜(中秋の名月) 」です。

さて、先祖への感謝をこめ供養を行う仏教行事「お彼岸」は、毎年春と秋の2回にわたってありますが、春彼岸は「春分の日」、秋彼岸は「秋分の日」の祝日を中心に、それぞれ前後3日間(合計7日間)行われます。

仏教では彼岸とは極楽のことを指すそうです、太陽が沈む西に、死者の悟りの世界「彼岸(ひがん)」があって、私たち生者が住む煩悩の世界「此岸(しがん)」は、太陽が昇る東にあるとされています。

そのため、太陽が真東から昇り、真西に沈む日の春分と秋分は、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると考えられるので、先祖供養をする日になったのだそうです。

そして、日本の旧暦のなかでも、春分と秋分は、とくに太陽と地球の動きに関する部分のため、とても季節感を言い表した用語でもあります。

科学的にも、春分と秋分は、どちらも太陽の中心が赤道の真上を直射する時で、一年のうちで夜と昼の長さが全く同じ日となります。

この春分と秋分は、地球の公転の軌道上での地球の位置が、夏至や冬至点のちょうど中間になりますので、春分からはだんだん暑さを増し、秋分からはだんだん寒さが加わってくることになります。

冬至では、北半球は地球の自転のため、太陽が照らす部分を通る時間が短くなり、照らされない影のところを通る時間が長くなるので、昼が短く夜が長くなり、太陽の光の傾きの角度も大きくなるので受ける熱量も少なくなって気温が下がります。

夏至の頃は、ちょうどこの反対になります。

簡単に言うと、春は、春分を境にして、以降は昼間の時間が長くなり、反対に、秋の秋分の日以降は昼間の時間が短くなります。

あたりまえですが、日が延びればだんだん暖かくなり、日が短くなればだんだんと寒くなります。

太陽から受ける熱は、太陽が遠い近いという距離ではなく、太陽の熱を受ける方向や、一日で照らされる日照時間の長短によるものだからです。

そのため、このお彼岸の行事を通じて、古来から「 暑さ寒さも彼岸まで 」と言われるように、日本の人々にとっては、季節の節目を感じる目安にもなったのでしょうね。

… … …

暑さ…と言えば、

今年は、9月後半に入ってからも残暑が厳しく、先週一週間(9月19日~21日頃にかけて)観測史上で最も遅い「猛暑日」が全国各地で観測されました。

そして秋雨前線の影響もあり、各地でゲリラ雷雨が降り、冠水などの被害もでました。

気象庁によると、大気と海水温が例年よりも高かった今年の夏は、豪雨をもたらす積乱雲「線状降水帯」の発生数が、以前の1.5倍も増えたのだそうです。

…先日9月20日、京都大学防災研究所の最新研究によると、地球温暖化の進行に伴って、線状降水帯などの極端な雨が増加することがわかってきました。

地球温暖化が進行すると、日本各地で、50年に一度程度の大雨や線状降水帯の頻度と強度が増えるのだといいます。

※その論文⇒ https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2023-09/2309_Bousai_relj2-5aa2c78f19588485a437ac4c4e86de7c.pdf

また今月に、気象庁気象研究所などの研究チームは、地球温暖化の影響で日本で豪雨が起きやすくなったとして、温暖化がなければ豪雨は3分の2程度に抑えられた、という発表をしていました。

欧米の国際研究グループも、9月19日に、北アフリカのリビア洪水を引き起こした今年9月の大雨(300~600年に一度程度の大雨)は、地球温暖化により発生確率が50倍に上がり、リビア北東部の総雨量は温暖化がなければ3分の2程度まで抑えられた可能性がある、と分析結果を公表しました。

今年7月27日、世界気象機関(WMO)は「地球が過去最も暑い月」と公表し、グテーレス国連事務総長が「地球沸騰の時代が来た」と言って世界中のニュースとなりましたが、世界的に記録的な猛暑、記録的な大雨、相次ぐ山火事、そしてリビア洪水と続いた今年2023年は、地球温暖化と気候変動を世界中の人たちが肌で感じた歴史的な年となるのかもしれません。


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