『 内陸、島に限らず、どこにでも物資が輸送でき、避難できる都市作りが理想。 』
塩崎賢明(1947〜 / 立命館大学教授 神戸大学名誉教授 専門は都市計画)
塩崎賢明(しおざき よしみつ)氏は、都市計画や災害時の住宅問題・住宅政策の専門家として知られる川崎市生まれの都市工学者。
大阪府立茨木高校を卒業後、京都大学工学部建築学科に入学。同大学院で建築学を専攻。1979(昭和54)年に神戸大学工学部に助手として入り、助教授を経て、1999(平成11)年教授に就任。2012(平成23)年3月に定年され、4月より特別招聘教授として立命館大学政策科学部に着任。東日本大震災の岩手県大船渡市復興計画委員会委員長、兵庫県震災復興研究センター代表理事など歴任。特に、神戸大学助教授時代に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路震災)直後からポートアイランドの実態調査を行って以降は震災復興研究に長年携われている。
この格言は、讀賣新聞(1995年8月16日「検証 阪神大震災」)記事内のインタビューより。
阪神・淡路震災の時、人工島のポートアイランドは、激甚な被害を出した神戸市長田区や東灘区などの内陸部に比べると、島内の生活機能はおおむね維持できていた。しかし、市街地との連絡ルートが橋一本しかなく建設当初からその危険性が指摘されていたポートアイランドは、神戸大橋が通行可能となると、島外へと脱出をはかるマイカーで大渋滞となり、パニックのような状態にもなりかけたという。
曰く―――。
バスや鉄道など交通手段の多重システムが不可欠だ。(中略) 防災(支援)拠点を人工島に置くことは、交通や住宅機能がすでに島内に整備されていることから考えられた。だが、人工島の防災拠点化は十分条件であっても必定条件ではない。内陸、島に限らず、どこにでも物資が輸送でき、避難できる都市作りが理想。どの地域も孤立化させないことを大前提に防災計画を進めることが、最重要課題といえるだろう。
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地震学者・石橋克彦氏(2011.04.18 防災格言)
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