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目がチカチカしてきたら「光化学スモッグ」にご注意を

time 2019/07/31

目がチカチカしてきたら「光化学スモッグ」にご注意を

暑い季節になると「光化学スモッグ注意報が発令されました」という放送を街中で聞いたことがあるという方もいるのではないでしょうか。
環境省の発表によると、平成29年度は18都道府県で87回も注意報が発令されています。
最も発生日数が多かった都道府県は千葉県と埼玉県で、15日のうちに20人が被害届を出しているなど、現在でも健康被害が発生していることがわかります。

また、被害届を出した人数を都道府県別に確認すると平成30年は神奈川県で13人、平成29年は岡山県で10人、福岡県が4人、その他3県で各2人となっています。
(環境省「平成30年光化学大気汚染の概要」、「平成29年光化学大気汚染の概要」を参照)
このように幅広い地域で観測されるようになった要因として、アジア地域における大気環境の変化が背景にあると指摘されています。
自動車の普及や都市化が急速に進んでいるアジア諸国では光化学スモッグの発生増加が観測されており、近年では増加している光化学スモッグが西風の影響で日本列島に到達し、幅広い地域で光化学スモッグが確認されるようになっているのです。
(国立環境研究所「東アジアにおける大気汚染の現状」より)

独立行政法人 環境再生保全機構:
https://www.erca.go.jp/yobou/taiki/kids/aozora/dono_03.html

このように広範囲にわたって観測されている光化学スモッグは、4月~10月にかけての日差しが強く気温の高い、そして風も弱い日に発生しやすいとされています。
(東京都HP掲載「光化学スモッグについて」より)

とくに今年は例年以上に気温の上昇が早く、5月26日には網走地方の佐呂間町で39.5度を観測するなど、全国で光化学スモッグ注意報を耳にする機会が増えるかもしれません。

そもそもスモッグってなに?

光化学スモッグという言葉は耳馴染みがあっても、その意味については知らない人も多いと思います。
そもそも、スモッグという言葉は「smoke(煙)」と「fog(霧)」の合成語であり、車や工場の排気ガスによって汚染された霧のことを意味しています。
このスモッグが問題となったのは1950年代のロンドンで、死者が出るほどの霧が発生したことにあります。
これは、人々が石油燃料を利用し始めたことが関係しており、排出された酸化硫黄物が地表に滞留し視程障害を引き起こし始めました。これ以降、2次的汚染物質である光化学オキシダントを光化学スモッグと呼ぶようになったのです。

光化学スモッグと光化学オキシダント

東京都 報道発表資料「光化学スモッグについて」:
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2014/12/60oc9103.htm

では、この光化学スモッグと光化学オキシダントについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
光化学スモッグというのは、光化学オキシダントの濃度上昇によって空気中に「もや」がかかる現象のことを指しています。
つまり、光化学スモッグ注意報というものは「光化学オキシダントの濃度が高く、その状態が継続すると認められること」を知らせるものなのです。
(埼玉県 環境科学国際センター「光化学スモッグ注意報」って何? より)

光化学スモッグによる主な健康被害

山口県HP「光化学オキシダントについて」より):
http://yamaguchi-taiki.life.coocan.jp/oxidant/about/

光化学スモッグが発生し濃度が高くなると目やのどに刺激を感じ、目がチカチカするなどの自覚症状があらわれます。
これらの自覚症状は軽傷に分類され、重症になると意識障害や呼吸困難、発熱、嘔吐などがみられるようになります。
光化学スモッグによる症状は一時的なものが多いことが特徴ですが、重い症状があらわれることもあるので注意しなければなりません。

どうやって光化学スモッグに備える?

札幌市HP「光化学オキシダントについて」より: https://www.city.sapporo.jp/kankyo/taiki_osen/chosa/oxidant.html

では、このような光化学スモッグによる症状は、どのようにして対策しておけば良いのでしょうか。
もっとも基本的なことは、光化学スモッグ注意報が発令された時点で屋内に避難することです。
光化学スモッグはマスクでは防げないため、外気に触れないということが最も大切です。
とくに、窓やカーテンを閉めることによって、発症してしまうリスクを減らすことが可能です。もし、目のチカチカやのどの痛みを感じる場合は、目を洗い、喉を十分にうがいすることが重要です。また、重症化した場合は早急に医師の診察を受けるようにしましょう。
また、健康被害の有無に関わらず、注意報が解除になってから屋外に外出するように、放送には耳を傾けておきましょう。

まとめ

今年は例年よりも気温上昇が早く、網走地方の佐呂間町で39.5度を観測しているだけでなく、すでに埼玉県東部(令和元年5月1日)に光化学スモッグ注意報が発令されています。
とくに、「頭痛・吐き気・体のだるさ・めまい」など光化学スモッグの症状は熱中症と類似しています。
しかし、「目のチカチカ」、「目の痛み」、「のどの痛み」が出た場合、それは熱中症ではなく光化学スモッグによる健康被害です。

前述したような適切な行動を心がけ、重症化を未然に防ぐことが大切です。

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