防災意識を育てるWEBマガジン「思則有備(しそくゆうび)」

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戦後3番目規模の震災を知っていますか~福井地震が伝える教訓~

time 2018/07/20

戦後3番目規模の震災を知っていますか~福井地震が伝える教訓~

福井地震から学ぶ10の教訓

70年前に東日本大震災、阪神・淡路大震災に次ぐ戦後3番目規模の震災が福井で起こっていたのをご存じでしょうか。

1948年6月28日午後4時13分、福井平野の直下を震源とするマグニチュード7.1の地震で、福井市はほとんど壊滅状態になり、被災地全体で3,769人の犠牲者、3万4000戸以上の家屋が全壊しました。

同時多発的に火災も発生し、4,100棟あまりが焼失しました。また九頭竜川や足羽川などの堤防に亀裂や崩壊が生じ、1カ月後の豪雨によって堤防が決壊。福井平野はいちめん泥の海と化しました。溢れた水は福井市の市街地に流れ込み、当時の福井市総面積の約60%が浸水し、総戸数の約40%が罹災しました。

このように、福井地震は、震災、火災、水害の複合災害となったのです。福井地震によって壊滅的な災害になったことから、気象庁はそれまで上限を6としていた震度階級を改め、その上に震度7を適用するように定められました。

今回は、以上を踏まえて、内閣府が平成23年にまとめた報告書「1948福井地震 報告書」の第9章「福井地震から学ぶ教訓」から10の教訓を紹介します。

1 地震はどこにでも発生する、と考えなければならない。

福井地震の地震断層は事前に発見することができませんでしたが、最新の手法を用いた現在の探査でも、発見できない地震断層は日本列島のいたるところにあります。
断層が確認されたか否かにかかわらず地震発生の可能性があることを、福井地震から学ばなければなりません。

2 地震の予知はまだできず、地震は不意打ちに発生するが、過去の地震災害に学び、その教訓を知っておくことが重要である。

現在においても地震の直前予知はできる体制になっていません。それだけに私たちは「被害をもたらすような大地震は、必ず予告なしに起こるものである」と心に決めて、発生に備えなければなりません。さらに直下地震では、緊急地震速報も間に合わないと考えるべきで、その備えは事前の取り組み以外にはありません。

3 地域や自分の“災害環境”を知ることが、防災対策の実践を促す。

例えば家屋の全壊率は地形環境や地盤条件に大きく左右されます。それぞれの災害環境の特性を普段から把握しておくことが、将来の地震に備えるための第一歩といえるでしょう。

4 建造物の耐震改修は、地震防災の基本対策である。

建物の倒壊を防げれば、地震による火災の発生も減り、災害を大幅に軽減することができます。ところが現在、日本の住宅の4戸に1戸で耐震性が不足しています。福井地震は、地震対策の基礎としての耐震化の重要性を改めて示しています。

5 木造密集市街地が存在する日本の都市では、地震火災の防御は重要な課題である。

木造住宅密集市街地ほど、初期消火には公設消防力ではなく地域消防力が重要になります。公設消防力が整備された現代においても、地震火災の多くは同時多発火災であるために、市民による初期消火が重要です。

6 復興対策も事前に準備しておく「事前復興」の取り組みが重要である。

被災においては、それぞれの地域の被害想定をもとに、行政も地域住民とともに、想定されている被害からの復興を考え、今から準備できることは準備し、実行できることは実行しておく「事前復興対策」の有効性と可能性を、福井地震は示しています。

7 「自助復興」への支援対策が、被災者の復興モチベーションを作り出す。

福井地震の復興支援では、焼け跡処理作業への報奨金制度、自力での仮設建設支援など、自力による復興支援が効果をあげていました。また産業・経済復興が、被災者の復興の重要なモチベーションになりました。自力での復興(自助復興)への行政の支援が大切であるということです。

8 復興にあたっては強いリーダーシップが重要である。

復興にあたっては、地域社会におけるリーダーシップが発揮できる組織体制が重要です。特に被害が発生すると想定される地区においては、事前の防災まちづくりや防災活動を通じて、リーダーシップが発揮できる組織体制を構築することが望ましいです。

9 複合災害に対する取り組み「対策の一体化」が必要である。

福井地震と直後の水害発生のような災害の複合化「複合災害」の多発が今後も危惧されます。震災対応と水害対応を複合的に進めることが重要になります。

10 地域の潜在的脆弱性(ハザード)に配慮した都市整備が災害に強い都市づくりには基本である。

これからの人口の高齢化と人口減少時代を念頭においた都市形成は、地震や水害など災害を考慮した、安全な都市への再整備が必要です。それは予知が難しい直下型地震の基本的な対策となるためです。

10の教訓をご紹介しました。中でも重要なのは、「4 建造物の耐震改修は、地震防災の基本対策である。」という教訓だと思います。最近でも、1981年以降に建てられた新耐震住宅の6割以上が「倒壊の可能性が高い」と評価されたことが話題になりました。(日本木造住宅耐震補強事業者協同組合による2018年のレポートより)
これが自分の住まいについて築年数を調べたり、耐震診断を受けたりと何かのきっかけになれば幸いです。

1948 福井地震 報告書
第9章 福井地震から学ぶ教訓
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1948_fukui_jishin/pdf/12_chap09.pdf

画像引用:Wikipedia

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