本日10月1日深夜2時21分、神奈川県西部で震度5強の地震(箱根で震度5強、小田原で5弱)が発生しました。
おりしも、地震から数時間後の午前9時、緊急地震速報の一般利用がスタートしました。
わずか7時間の時間差により、緊急地震速報の初成果を得ることができなかった・・・との逸話(?)も巷に聞こえてきましたが、でもね、今回の地震では、
仮に、箱根や小田原にお住まいの人が、緊急地震速報に加入していたとしても、速報が入ることはなかったでしょう。
それは、震源が近かったからです。
緊急地震速報とは、地震の大きな揺れの直前に発生するP波を察知して、やがてやってくる本震(S波)の前(3秒程から45秒ほど)に、警報を発するという、すばらしい減災システムです。
今月から専用端末やパソコン用の専用ソフトなどを購入することによって、この緊急地震速報を一般家庭でも利用することができるようになったのです。
速いP波は1秒間に約6km、遅いS波は約3.5kmの速度で地面を伝わるそうです。
つまり、この揺れの速度の差をコンピュータが瞬時に計算することで本震の規模(震度)と到達時間を事前に予測することが可能だという訳です。
詳しくは⇒ http://www.sei-inc.co.jp/bosai/jishinsokuhou/
でも、発生源が自宅の真下や、10kmくらいの近場であったり、P波とS波がコンマ何秒の差でほとんど同時にやってくるような場所が発生源であると、タイムラグが発生して、警報は間に合いません。
震源が近く、揺れが大きな直下型地震であればあるほど、緊急地震速報は意味を成さないのではないかと言われています。
そして、地震の大きさの予測には震度1程度の誤差も生じますし、例え、警報が機能したとしても、大きな揺れであればあるほど、地震の規模に反比例して、警報から揺れが到達するまでの時間は秒単位で短くなります。
それじゃ意味ないのでは!?
・・・と思われるでしょうが、数秒前にでも震度3、震度4、震度5・・・と来ることが分かれば心の準備というものができます。
与えられた猶予時間があれば、家事をしている最中に火を消すだけの時間は十分とれますし、家の中で、大きな荷物や家具、電化製品などがある場所から怪我をしないようにと、頭を守ったり、ちょっと移動するだけの時間的な猶予を得ることができます。
これは、地震減災にとって、とても大きな進歩です。
そんなに良いと言うのなら、店長は自宅に緊急地震速報の端末の一台でも用意するのか?
いいえ、現在のところ、私(店長)は買うつもりありません。(メルマガ会員諸氏の夢?を壊してすいません)
実際のところ、内心で とてもとても欲しいのですが、どうも気持ちが乗ってこないのです。
それは、現時点で、端末の値段が、お世辞にも手頃とは言えないからです。
我が家の財布の紐は、皆様と一緒、意外に硬いのですね(笑)。
地震の前に「ピーピーピー」とブザーが鳴るという最もシンプルなタイプの端末でも4〜5万円ほど。
防災オタクな私がどうせ買うのなら、「震度4、10秒後、9,8,7,6,5・・・地震、地震」と声で規模と地震をカウントして教えてくれるタイプが欲しいのです。
でもこれだと10万円以上もしてしまう。
しかも製品によっては、月々の契約料が1万円近くになるものもある。
うーん、これだと費用便益を考えて悩んでしまいます。
現時点では、メーカー各社も家庭用端末というよりは、マンションなどの集合住宅(これを売り文句にする分譲マンションも多い)や、企業への販売が主流という感も否めません。
また、どういうサービス形態となるか不明瞭なのですが、2008年以降の新機種の新機能(予定)として、NTTドコモやKDDIなど携帯電話の端末で緊急地震速報を利用できるように開発が進められているそうです。
携帯電話による緊急地震速報が、とても機能的で、しかも安価で提供されれば、家庭用途でも、こちらが本命となるでしょう。
NTTドコモの報道資料⇒ http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/070530_02.html
専用端末も、家電製品なみに手頃な価格帯で、しかも高機能なものが出てくるまでは、一般家庭へ普及することはないと思いますが、さて、どうなるでしょうか、今後の動向に期待ですね。
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災害に備えるということは?(2007.10.3 編集長コラム)
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