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田尻稲次郎が東京市民に向けて発したスペイン風邪対策に書かれた格言_vol.1(1850~1923 / 経済学者・政治家・官僚 東京市長 日本初の法学博士 専修大学創立者)

time 2008/12/22

田尻稲次郎が東京市民に向けて発したスペイン風邪対策に書かれた格言_vol.1(1850~1923 / 経済学者・政治家・官僚 東京市長 日本初の法学博士 専修大学創立者)

『 1、室内は清潔に努め常に日光の射入並に空気の転換を図ること

 2、身体衣服を清潔にし且つ被服寝具等は時々日光に曝すこと

 3、衆人の集合する場所には可成立寄らざること、若し己(や)むを得ざる場合又は電車汽車等の内にては呼吸保護器を使用し又は布片を以て鼻口を被ふこと

 4、外出先より帰宅したるときは時々温水又は食塩水にて含嗽(うがい)をなすこと

 5、患者又は其疑ある者に可成接近せざること 』

(大正9(1920)年2月、東京市民にあてたスペイン風邪予防の告示より)

 

田尻稲次郎(1850~1923 / 経済学者・政治家・官僚 東京市長 日本初の法学博士 専修大学創立者)

 

田尻稲次郎(たじり いなじろう)は、明治の初め、米エール大学で経済と財政を学び、帰国後、日本初の法学博士となる。
大蔵省官僚を経て、日清戦争後の明治29(1896)年、戦後の財政策として葉煙草専売法を立案し煙草の専売事業の基礎を築いた。
大正7(1918)年から大正9(1920)年にかけてスペイン風邪(新型インフルエンザ)が日本でも猛威を振るうようになると、旧東京市15区だけで大正7年の死者12,550人、大正8年14,543人、大正9年5,000人以上(当事の統計が不十分で詳細は不明。死者のうち肺炎・気管支炎で死亡した者と肺結核で死亡届が出された者の合計値)出て、東京市中は一時火葬場が込み合って大騒ぎとなった。
格言は、大正9(1920)年2月17日、当事の東京市長・田尻が市民に向け出したスペイン風邪対策の告示より。(告示全文(項目も1〜10まである)はリクエストがあれば後日紹介します)

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<防災格言編集主幹 平井敬也 拝>

 

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