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南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ最終報告書(2013年)に書かれた名言 [今週の防災格言289]

time 2013/06/24

南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ最終報告書(2013年)に書かれた名言 [今週の防災格言289]

『 発災直後は特に行政からの支援の手が行き届かないことから、まず地域で自活するという備えが必要であり、食料や飲料水、乾電池、携帯電話の電池充電器、カセットコンロ、簡易トイレ等の家庭備蓄を一週間分以上確保するなどの細かい具体的な対応を推進する必要がある。 』

 

南海トラフ巨大地震対策検討WG(中央防災会議)報告書より

 

格言は、政府の中央防災会議・防災対策推進検討会議・南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ(主査・河田惠昭関西大学教授)が2013年5月28日に発表した『南海トラフ巨大地震対策について(最終報告書)』より。

曰く―――。

今回明らかにされた南海トラフ沿いで発生する最大クラスの巨大地震・津波については、千年に一度あるいはそれよりもっと発生頻度が低いものであるが、仮に発生すれば、西日本を中心に甚大な被害をもたらすだけでなく、人的損失や国内生産・消費活動、日本経済のリスクの高まりを通じて、影響は我が国全体に及ぶ可能性があり、行政、企業、地域、住民等、個々の果たすべき役割を踏まえつつ当該地震への対策にも万全を期する必要がある。本ワーキンググループは、特にこのことを重視して議論を進めてきたことを冒頭に記しておくものである。

本報告を踏まえ、政府をはじめとする関係機関は、速やかな計画の策定・見直しや諸施策の展開により、具体的な対策を進める必要がある。また、今後の科学技術の進展や、南海トラフ巨大地震の対策の進捗状況等を踏まえ、10年程度を目途に必要に応じ、対策の見直しを行うことが必要である。
そして、想定される質・量ともに未曾有の事態が現実のものとならないようにするためには、発生頻度が極めて低いものであるとの認識をしつつも、国内のあらゆる力を結集し、南海トラフ巨大地震に立ち向かう社会全体の体制を一刻も早く整え、安全で安心なまちを子どもや孫の時代にしっかりと残していくことを強く望む。

南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ最終報告書(本文)はこちら⇒ https://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/taisaku_wg/index.html

東日本大震災の「想定外」の教訓をもとに発足した、国の大規模地震と津波対策。特に東海地震・東南海地震・南海地震(南海トラフの巨大地震)について、政府は2012(平成24)年4月に専門家会議「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」を発足させ、その対策へと乗り出した。この最終報告書(2013年5月28日公表)の先に発表(2013年3月18日公表)された被害想定(第二次報告書)では、最悪の場合に死者32万3,000人、全壊・全焼家屋238万6,000棟とされ、

被害想定については、厳しい数字であっても “正しく恐れてもらう” ために、国民にありのままを知ってもらうことが大切。

とも述べられている。



■「東日本大震災」に関連する防災格言内の記事
政府の中央防災会議「災害時の避難に関する専門調査会報告書(2012年3月)」より(2018.02.26 防災格言)
国土交通省東北地方整備局「災害初動期指揮心得(2013年3月)」(2015.03.09 防災格言)
高知県黒潮町「南海トラフ地震・津波の防災計画基本理念(2012年)」(2016.03.07 防災格言)
「津波避難のたすとひく」静岡県警の津波避難啓発標語(2014.11.10 防災格言)
三陸地震大津波(1896年・1933年)の石碑「大海嘯記念碑(岩手県上閉伊郡大槌町)」(2011.11.07 防災格言)
明治三陸地震(1896年)と昭和三陸地震(1933年)の石碑「大津浪記念碑」(岩手県宮古市重茂・姉吉集落)(2021.07.12 防災格言)
南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ報告書(2013年5月)(2013.06.24 防災格言)
日野原重明(1911~2017 / 医師 聖路加国際病院理事長・名誉院長)(2017.07.24 防災格言)
柴田トヨ(1911~2013 / 詩人 代表作「くじけないで」(2010年))(2019.03.25 防災格言)
やなせたかし(1919~2013 / 漫画家 代表作「アンパンマン」)(2017.03.13 防災格言)
ドナルド・キーン(1922~2019 / アメリカ出身の日本文学・日本文化研究者)(2019.04.22 防災格言)
李登輝(1923~2020 / 台湾の政治家・農業経済学者 元中華民国(台湾)総統)(2015.07.13 防災格言)
江崎玲於奈(1925~ / 横浜薬科大学学長 ノーベル物理学賞(1973年))(2018.03.19 防災格言)
石原信雄(1926~ / 官僚 元内閣官房副長官 元自治事務次官)(2013.10.21 防災格言)
緒方貞子(1927~2019 / 国際政治学者・元国連難民高等弁務官 元国際協力機構(JICA)理事長)(2019.11.18 防災格言)
堤清二(辻井喬)(1927~2013 / 実業家・詩人・作家 元セゾングループ代表)(2013.12.02 防災格言)
亀井利明(1930~2016 / 関西大学名誉教授 日本リスクマネジメント学会創設者)(2019.03.04 防災格言)
明仁上皇陛下(1933~ / 第125代天皇 在位:平成(1989~2019年))(2019.05.06 防災格言)
柳田邦男[2](1936~ / ノンフィクション作家 元NHK記者・解説委員)(2019.03.18 防災格言)
小倉和夫(1938~ / 外交官 元韓国大使・フランス大使 青山学院大学教授)(2021.02.01 防災格言)
田部井淳子(1939~2016 / 登山家 女性初のエベレスト・七大陸最高峰登頂者)(2019.12.23 防災格言)
渡辺利夫(1939~ / 経済学者 拓殖大学総長(第18代)・学長 東京工業大学名誉教授)(2020.12.07 防災格言)
ワンガリ・マータイ(1940~2011 / ケニアの環境保護活動家 ナイロビ大教授)(2013.04.22 防災格言)
丸茂湛祥(1940~2020 / 僧侶・日本画家・宗教心理学者 日蓮宗本蔵寺住職)(2013.08.05 防災格言)
江田五月(1941~2021 / 弁護士・裁判官・政治家 東日本大震災時の法務大臣(第86代)・環境大臣(第16代))(2021.08.09 防災格言)
市川森一(1941~2011 / 脚本家・劇作家・小説家)(2017.03.20 防災格言)
サー・ジョン・ベディントン(1945~ / 元英国政府首席科学顧問 オックスフォード大学マーティンスクール上級顧問・教授)(2021.03.22 防災格言)
都司嘉宣(1947~ / 地震学者 理学博士 元東京大学地震研究所准教授)(2013.03.25 防災格言)
津島佑子(1947~2016 / 作家 太宰治の次女 代表作『火の山―山猿記』)(2021.03.29 防災格言)
舩橋晴俊(1948~2014 / 社会学者・専門は環境社会学 法政大学社会学部教授)(2021.12.06 防災格言)
伊集院静(1950~ / 作家・作詞家 CMディレクター 代表作『乳房』)(2012.02.27 防災格言)
本間博彰(1950~ / 児童精神科医・医学博士 元宮城県子ども総合センター所長)(2014.10.06 防災格言)
ケリー・シー(1950~ / アメリカの地震学・地質学者 専門は古地震学)(2015.02.02 防災格言)
君塚栄治(1952~2015 / 陸上幕僚長 東日本大震災時の東北方面総監)(2016.03.14 防災格言)
ジョン・V・ルース(1955~ / 弁護士 駐日アメリカ合衆国大使(第28代))(2018.04.02 防災格言)
チャールズ・カスト(1955~ / 元米原子力規制委員会地域センター長)(2017.2.6 防災格言)
坂茂 (1957~ / 建築家 京都造形芸術大学教授 プリツカー賞受賞(2014年))(2016.03.21 防災格言)
村井嘉浩(1960~ / 宮城県知事 元陸上自衛隊東北方面航空隊パイロット)(2013.10.14 防災格言)
谷川浩司(1962~ / 将棋棋士 永世名人 日本将棋連盟会長)(2013.03.04 防災格言)
廣井悠(1978~ / 都市工学者 東京大学大学院准教授)(2012.03.12 防災格言)

■「南海トラフ巨大地震」「東海地震」に関連する防災格言内の記事
安政地震の石碑「岸本飛鳥神社懲毖」(安政5(1858)年9月建立)より(2018.12.17 防災格言)
高知県黒潮町「南海トラフ地震・津波の防災計画基本理念(2012年)」(2016.03.07 防災格言)
南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ報告書(2013年5月)(2013.06.24 防災格言)
濱口梧陵(儀兵衛)(1820~1885 / 実業家 ヤマサ醤油第7代目社長)(2007.12.24 防災格言)
石橋克彦(1944~ / 地震学者 神戸大学名誉教授 専門は地震テクトニクス)(2011.4.18 防災格言)
阿部勝征(1944~2016 / 地震学者 東京大学名誉教授 東海地震判定会会長)(2011.08.22 防災格言)
『富士山噴火と東海大地震』(木村政昭(琉球大学名誉教授)監修、著者・安恒理(ジャーナリスト)ほか 2001年)「被災時のサバイバルとは」より(2021.11.08 防災格言)
萩原尊禮[1](1908~1999 / 地震学者 地震予知連名誉会長 東大名誉教授)(2008.09.08 防災格言)
萩原尊禮[2](1908~1999 / 地震学者 地震予知連名誉会長 東大名誉教授)(2015.09.21 防災格言)
萩原尊禮[3](1908~1999 / 地震学者 東京大学名誉教授 地震予知連絡会名誉会長)(2022.03.28 防災格言)
浅田敏(1919~2003 / 地震学者 地震予知連会長 東大名誉教授 東海大名誉教授)(2007.12.17 防災格言)
羽鳥徳太郎(1922~2015 / 歴史地震学者 専門は歴史津波・津波工学)(2018.08.06 防災格言)
久保寺章(1926~2004 / 地球物理学者 京都大学名誉教授 日本火山学会会長)(2022.01.24 防災格言)
茂木清夫[1](1929~2021 / 地震学者 元地震予知連会長 日本大学教授 東京大学名誉教授)(2011.03.14 防災格言)
茂木清夫[2](1929~2021 / 地震学者・火山学者 地震予知連会長 東京大学名誉教授)(2021.07.26 防災格言)
溝上恵[1](1936~2010 / 地震学者 東京大学地震研究所教授 東大名誉教授)(2010.08.23 防災格言)
溝上恵[2](1936~2010 / 地震学者 東京大学地震研究所教授 東大名誉教授)(2021.10.11 防災格言)
マシュー・ペリー提督(1794~1858 / 米海軍軍人 東インド艦隊司令長官)(2013.01.07 防災格言)
名和 靖(1857~1926 / 昆虫学者 名和昆虫研究所(岐阜市)の創設者)(2019.05.20 防災格言)
開高健(1930~1989 / 小説家・随筆家)(2011.11.14 防災格言)

 

著者:平井敬也(週刊防災格言編集主幹)

 

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